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【事 案】 コンビニの床掃除が不十分、濡れていて転んだら損害賠償請求できるか?  

【結 論】 床掃除の後処理が不十分だったとき、コンビニを統括する本部に対して賠償請求できる。(大高H13.7.31)

 道路上の事故ならば当然に110番通報するでしょうが、商業店舗内での事故は通報することが少ないと思われます。事故の内容も客が自分で転んだ、客同士の衝突、陳列商品にぶつかったなど色々ありますが、事故の状況を把握するため警察への通報は必要と思われます。
 本事案は、コンビニが床掃除をしたあと乾拭きをしなかった。床に水分がわずかに残っていたことに、当時22歳の女性客が気づかず、滑って転んで左腕に大ケガをした。そこでコンビニを統括する本部に、1000万円以上の賠償請求をしたものです。

 コンビニ側は、事故は専ら客の不注意によるものである、床材は滑りやすい性質のものではない、掃除のあと残った水分を拭き取る義務はないと主張しました。原審の大阪地裁はこの主張を認め、客の自招事故であるとして訴えを棄却しました。

 これに対して大阪高裁は、客の賠償請求を認めて約210万円(ただし客にも5割の過失があったとして105万円)を、コンビニ運営本部に支払うよう命じました。
 高裁は、床が濡れていた程度は見ただけではわからず手で触れてわかる程度の濡れ方だったため、通常の速度で歩いて転倒したのは水拭き掃除が事故の原因である。店舗は、年齢、性別、職業等が異なる不特定多数の顧客に対して、安全を図る義務がある。
 床材は、コンビニ全店における統一規格の特注品であり、従業員に対し顧客が滑って転んだりすることのないように床の状態を保つよう、指導する義務があったとしました。
 もっとも本事案では、女性客は靴底が減って滑りやすい靴を履いていたこと、パンと牛乳を持って両手がふさがった状態であったことなどから、客側の状態が損害の発生及び拡大に寄与したとして5割の過失相殺(原因の半分は客側にあった)を認めました。

 最近アウトレットモールや、家具を扱っている大規模店舗があちこちに見られます。とくに注意すべきは、店内を走り回るカートや混雑時に人と人が交差する動線です。カートの事故や客同士の衝突などは、過失傷害罪など刑事上の事件に発展しかねないケースもあります。
 このような事故が起きたとき、店舗側がどの程度積極的に事件や事故に対応してくれるかといえば、はなはだ心許ないというのが実感です。本事案のように、明らかに店舗のメンテナンスに問題があった場合は別ですが、商品展示のしかたや人の動線計画に問題があったとしても、全く責任を感じず、客同士の問題にすり替えてしまう店も多いようです。
 冒頭にも述べましたが、事件か事故が区別がつかないときは110番通報をする、保険に個人損賠賠償責任特約をつけておくといった用心がますます大切になってきています。

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