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お客様の転倒は店舗の責任?損害賠償請求の裁判事例

売場で多い事故の1つが、転倒事故。お客様が売場で転倒してケガをした場合、店側はどのような責任を問われるのでしょうか。以下では、実際の裁判事例を挙げながらご説明します。

床のアイスに滑って転倒。損害賠償は約860万円

2009年10月31日にショッピングセンターのアイスクリーム売場前の通路で起こった転倒事故の事例をご紹介します。

当時71歳の女性がショッピングカートを押しながら歩いていたところ、アイスクリーム売場前の通路に落ちていたアイスクリームで滑って転倒。右大腿骨と第二腰椎を骨折し、92日の入院治療と85日の通院治療を受けました。また、下肢の関節機能に障害も残りました。

女性は店舗が安全管理を怠ったことについての「不法行為責任(民法709条)」と、床が滑りやすい状態になっているのに放置したことについての「土地工作物責任(民法717条)」を問い、ショッピングセンターに約2,600万円の損害賠償を請求しました。

判決の結果、裁判所はショッピングセンターに約860万円の支払いを命じました。

不法行為責任とは?

不法行為責任が問われる代表的な例は、交通事故です。交通事故の加害者は、被害者の生命や身体、財産を害する事故を起こした行為について責任を問われ、損害賠償を負います。

【不法行為による損害賠償】

第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

不法行為責任が認められるには、その行為が「故意または過失による」と認められる必要があります。今回ご紹介したショッピングセンターの事故事例では、「女性が転倒した原因が、店側の過失によるものであったかどうか」が争点となります。

アイスで滑ったのは店側の過失?本人の不注意?

ショッピングセンターの転倒事故の裁判では、以下の点が責任の根拠となりました。

①事故が起こったのはアイスクリーム売場付近の通路であり、アイスクリームを購入した客が食べ歩いてアイスクリームの一部を落とし、床が滑りやすくなることは予測できた。
②当日は一部のアイスクリームの割引セールが行われており、混雑することが予想できた。

①②の状況により、ショッピングセンターは、「売場付近に飲食スペースを設けて誘導する」「清掃委託を閉店時間まで延長する」「従業員による見回りを強化する」などの対策を行う義務を負っていたと判断されました。ですが、その義務を怠っていたことが明らかだったため、不法的行為責任が認められたのです。

とはいえ、上記の予測は転倒した女性本人にも可能です。そのため、女性も「売場前を歩行するときに足元を注意するという義務を怠った」という過失があります。ただし、「ショッピングカートを押していたという原因により床が見えにくかった」という状況も考慮して、女性の過失割合は20%であると判断されました。

安全管理を徹底して事故防止を!

お客様が売場で転倒してケガをしたとき、店側が損害賠償責任を請求されるかどうかは、「転倒事故の重大性」「事故は予測できるものだったか」「安全管理は十分だったか」が判断基準となります。

過去には、入り口の足拭きマットが原因で客が転倒し、92万円の損害賠償が請求された事例もあります。売場のディスプレイや設置物が原因で客がケガをしたら、店が責任を問われる可能性はゼロではありません。

普段から店舗内の危険に目を光らせ、事故の原因になるものを見つけたら、予防措置を行いましょう。安全管理を徹底することが、事故とトラブルの防止につながります。

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